『14ひきのあさごはん』
いわむらかずお 作・絵 童心社 (1983)
3~4歳頃から
【あらすじ】
おとうさん おかあさん おじいさん おばあさん そしてきょうだい10ぴき。ぼくらは みんなで14ひき かぞく。あさだよ。おはよう。かおをあらったら、あさごはんのしたく。のいちごつみ。だいどころでは、どんぐりぱん。みんなそろって、いただきます。
自然の暮らしの中で『14ひきのあさごはん』
「14ひき」シリーズの一冊、『14ひきのあさごはん』を紹介します。
おとうさん、おかあさん、おじいさん、おばあさん、そしてきょうだい10ぴきの14ひき家族のねずみのお話です。
このねずみの家族を見ていると、その住んでいる世界へ入ってみたくなります。
木のおうち。
一人一人のベッド。ふとん。まくら。
階段。
洋服ダンス。ハンガーに洋服。
実際の大きさだと、どのくらいになるのでしょう。
想像するととてもおもしろいです。
14ひき家族の日常が、細かく丁寧に描かれています。
小さなきょうだいの世話をしている子、一人で身支度をしている子。
一人ひとりがきちんと描かれているのです。
読み進めて行くと、「これは、にっくんだ!」と探したくなります。
表紙に、これがいっくん、これがくんちゃんと描かれているので、服をたよりにあててみます。
そして、一つ一つの場面が、しっかりつながっているのもおもいしろいところです。
ろっくんが指に手当をしてもらっている場面があり、どうしてかな?とページをさかのぼっていってみたら、ずっと手を気にしていてます。
どうやらのいちごを摘んでいるときに、とげがささってしまったようなのです。
あ、そうだったのか、と何回読んでも発見があります。
こういったしかけが、子どもも大人も楽しいです。
そして、美しい自然の中での暮らし。
トンボやチョウチョウなどたくさんの生きもの。
きれいな滝。
すずしい音。
ちょっぴりあまくて、ちょっぴり すっぱい のいちご。
生物も草花も、豊かに描かれています。
この絵本の作者、いわむらかずおさんが開いた「いわむらかずお絵本の丘美術館」が、栃木県馬頭町(言・那珂川町)にあり、私も訪ねたことがあります。
自然豊かな素晴らしいところです。
いわむらかずおさんは、絵本や自然、子どもをテーマに活動されています。
自然の美しさを、絵本の中で子どもたちに伝えてくれています。
「14ひき」シリーズは、『14ひきのひっこし』『14ひきのぴくにっく』『14ひきのせんたく』など、たくさんあります。
かわいい14ひきの世界、そして自然の美しさを、みなさんもぜひ味わってみてください。