『ぼちぼちいこか』
マイク=セイラー さく / ロバート=グロスマン え 今江祥智 訳 (1980)
(4~5歳頃から)
![ぼちぼちいこか2版 [ マイク・セーラー ] ぼちぼちいこか2版 [ マイク・セーラー ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/2309/9784032012309.jpg?_ex=128x128)
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【あらすじ】
ぼくは、かば。ぼく、なんでもやってみたい。「しょうぼうしになれるやろか」「ふなのりは、どうやろか」「パイロットやったら―」・・・「どうも こうも あらへん」。あきらめないで、なんでもやってみるんや。失敗ばかりやけど。「ま、ぼちぼちいこか―」
肩の力を抜いて・・・
私は、どうやら「がんばりすぎてしまう」ところがあるようです。
そんなことはないと思うのですが、よく言われてしまうのです。
この本は大学生時代に、部活の先輩からいただいた本です。
夢中になって、一生懸命やっているときは、楽しい。
「なんでもできる!」「なんでもやってみよう!」
意欲に燃えているときは、体も軽くなるような感じになりますが、その時が一番要注意。
体は逆にストップをかけようとしているかもしれませんが、それに気が付かないことも多いのです・・・
よく、何か大きな行事があった後、体調を崩すなんてことも。
「ぼちぼちいこか」
今は、以前より体力がだいぶ落ちたと感じています。
だから、「ぼちぼちいこか」
そんな気分がよくわかるようになってきました。
あの人、肩の力入ってる・・顔がひきつってる・・
そんな人がいたら、『ぼちぼちいこか』をプレゼントしたいなあ。
『What Can a Hippopotamus be?』
『What Can a Hippopotamus be?』
これが、『ぼちぼちいこか』の原作タイトルです。
そうです、これは、アメリカの絵本なのです。
それを、訳者今江祥智さんが素晴らしいタイトルに訳してくださいました。
児童文学作家であり、翻訳家今江祥智さんは、大阪の出身です。
「わたしの好きな関西弁で訳して遊んでみました。」
訳者の言葉には、そう記されています。
この絵には、この言葉がぴったし。これしかない。
翻訳の力です。
『すてきな三にんぐみ』の作品も、今江祥智さんが訳しています。
「みなさんも、ひとつ、おくにことばに訳して、たのしんでみてください」
『ぼちぼちいこか』の博多弁や、東北弁バージョンだとどうなるのでしょう。
おもしろそうです。
みなさんも、ご出身の方言で読まれたら、また心にしみるかもしれません。
「いま、ここで」に意識を向けながら、「ぼちぼちいこか」
「とにかくせちがらく、あわただしい世に、じっくりと自分をみつめ、ぼちぼちと自分について考えてみることも、たいせつではないでしょうか。」
今江祥智さんは語ります。
私は、現在、臨床心理学について学んでいます。
先日、「マインドフルネス」について学習しました。
マインドフルネスとは、
「感情や思考、身体感覚、症状など、「いま、ここで」体験している事柄について、感情や思考に巻き込まれることなく、それを体験していることに注意を持続させ続けること。」
「いま、ここで」起こっていることに気づき続ける。
簡単なようで、すごく難しいです。
臨床心理学を学びながら、その学んだことをまずは自分の中で活かせるように、勉強法などに取り入れたり、自分の思考について観察したりと「自分研究」をしています。
「いま、ここで」の感覚。
例えば、自分の呼吸に気づくこと。聞こえてくる音に耳を澄ませること。
自分の体の様子に意識を向けること。
しかし、脳は暇さえあれば、「今日のごはん何食べようかな」「昨日何食べたっけ?」「あれ、買うの忘れた」「なんで買っとかなかったんだろう」「また、やっちゃった」・・・
と、どんどんどんどん自動思考が始まっていきます。
脳は意識をとばしやすいのです。
そして、つい未来のことが不安になったり、過去のことを悔やみ続けたり・・・
一つのことから、どんどん派生して、なんでこんなこと考えていたのだっけ?と思考をさかのぼってみたりして。
「いま、ここで」起こっていることに意識を向けると、すごく集中できるし、余計なことを考えないですみます。
私は最近、自動思考が働き始めたら「いま、ここ」と心の中で言うようにしてみました。
気持ちを切り替える訓練をしています。
私はヨガやピラティスをやっているのですが、自分の呼吸に意識を向けて、集中できる時間はとても気持ちがよく、私にとって大切な時間です。
「いま、ここで」の実践を一歩ずつ。
自分の気持ちや体に意識を向けながら。
かばくんのように、「いま、ここで」やってみようと思った気持ちを大切にして。
失敗しちゃった、自分はダメなやつなんて考えない。
「どないしたら ええのんやろ」
そんな風に思ったら、
「おもいつくまで ちょっと ひとやすみ」
「ぼちぼちいこか―ということや」