『エルマーのぼうけん』
ルース・スタイルス・ガネット 作 ルース・クリスマン・ガネット 絵
5~6歳頃から
【あらすじ】
ぼくのとうさんの名前はエルマー・エレベーター。エルマーが小さかったときのこと、あるつめたい雨の日に、年とったのらねこに会いました。ねこはびしょぬれで、とても気持ちが悪そうだったので、ぼくのとうさんは、うちに連れて帰りました。しかし、エルマーのお母さんは、そのねこが来たのを見るとひどく怒りました。エルマーはお母さんにばれないように、ねこを助け、そのうちとても仲良くなりました。ねこはエルマーに若い頃の旅行の話をします。みかん島の近くにあるどうぶつ島。その島にいた子どものりゅう。長いしっぽをしていて、体には黄色とそらいろのしまがあるりゅう。どうぶつ島のどうぶつたちは、そのりゅうを夜通し働かせているとのことでした。その話を聞いたエルマーは、りゅうを助けに出発します。エルマーのぼうけんの始まりです。
冒険の始まり
私は小さい頃、「冒険」のお話が好きでした。
『グリックの冒険』、『カッレくんの冒険』、『ミス・ビアンカシリーズ くらやみ城の冒険』など、冒険と名のつくものをたくさん読んでいた記憶があります。
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未知なるところへ。
何が待ち構えているのかはわからないけれど、それがおもしろい。
ワクワク・ドキドキです。
特に、冒険の始まりはとてもワクワクします。
まずは大事な荷仕度です。
エルマーのもっていったものは、チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき、むしめがね六つ、さきのとがったよくきれるジャックナイフ一つ、くしとヘアブラシ、ちがったいろのリボン七本、『クランベリいき』とかいた大きなからのふくろ、きれいなきれをすこし、それから、ふねにのっているあいだのしょくりょうでした。
ふねの中のねずみをたべていきていくわけにもいかないので、ピーナッツバターをはさんだサンドイッチを二十五と、りんごを六つもちました。なぜりんごが六つかといえば、それだけしか、だいどころになかったからです。
しっかりと食料をつめた荷物を全部リュックサックに入れて、エルマーは船に乗って出発します。
この荷物、エルマーの機転の良さで全て役に立つのです。
それは、読み進めてみてからのお楽しみ。
さて、この本には、「みかん島とどうぶつ島のちず」が描かれています。
地図を見るとまた興味がそそられます。
「ぴょんぴょこいわ」「なきべそプール」
エルマーが島を探検するのと一緒に、地図を見ていくと、エルマーがどのように冒険しているかがわかり、おもしろいです。
私は、この本を古本で買ったのですが、その地図に、えんぴつでエルマーのたどった跡が書かれているのを見つけました。
きっと、本の元の持ち主も、エルマーと一緒になって冒険していたのでしょう。
どうぶつ島のジャングルは危険がいっぱい。
おしゃべりねずみに、おこりんぼの二ひきのいのしし、おなかがすいたとら七ひき、なきべそのさい、腹を立てていてはらぺこのライオン、せっかちなゴリラ・・・。
しかし、エルマーは、戦いません。
エルマーは、頭で戦い、その場を切り抜けていきます。
エルマーは、無事にりゅうのところまでたどりつけるのでしょうか。
続きは、ぜひ本でどうぞ。とても読みやすいです。
そして、続編には、『エルマーとりゅう』『エルマーと16ぴきのりゅう』があります。
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続きが待ち遠しいお話です。
私の好きな人形劇団プークでも、『エルマーのぼうけん』のお話は何度も上演されています。
こちらもとてもおすすめです!
作者のプチ紹介
『エルマーのぼうけん』の作者ルース・スタイルス・ガネットは、もともとは化学者として、医学研究所や電波探知機の研究所で働いていたそうです。
しかし、自分の本当の興味は児童文学にあると悟り、その後、児童図書協議会の職員として働く間に、この作品を書いたそうです。
そして、この作者のお母さんが、この絵本の挿絵を描いているルース・クリスマン・ガネットです。
親子で作られた素敵な作品です。