『くまのパディントン』生誕60周年を記念して開催された「くまのパディントン展」
私は、「くまのパディントン」が小学生の時に大好きで、図書室から借りて、シリーズを全部読んでいました。
くまのパディントン展がある!ということで、久しぶりに再読。
予習してから向かいました。
行ってみると、原画がたくさん。
パディントンのちょっとした仕草、ストーリーに思わず笑ってしまうという場面が何度もありました。
くまのパディントンの挿絵はいろいろな方々によって描かれています。
確かに、どれも見たことあるような・・・
でも、私は、ペギー・フォートナムさんの絵が好きです。
他にも、アニメーションの紹介やグッズ販売と充実していました。
幸せな時間です。
『くまのパディントン』の作者 マイケル・ボンド ~くまのパディントン誕生秘話~
つい最近2017年6月27日に亡くなりました。(享年91歳)
しかし、記念イベントに向けて、本人のインタビューや直筆メッセージがたくさん残されていました。
素敵な人柄がうかがえました。
『くまのパディントン』のお話が生まれたきっかけは、1956年のクリスマス・イブのこと。
仕事を終えたマイケル・ボンド(以下、ボンド)は、おもちゃ売り場に一つだけ売れ残っていたくまのぬいぐるみを見かけます。
そのくまがひとり寂しくクリスマスの時期を過ごすことを考えると、やりきれない気持ちになったボンド。
奥さんのプレゼントとして、そのくまを連れて帰ることにしたそうです。
『くまのパディントン』の冒頭と似ています。パディントンのお話からあふれ出すやさしさは、ボンドの心と通じていました。
ボンドに迎え入れられたくまの名も「パディントン」。
ボンド氏と奥さんの住んでいた駅の近くにパディントン駅があったからです。
パディントン駅は実際にあるのです!
それから、パディントンを主人公にした物語がボンドの中で動き出しました。
「どうぞ このクマのめんどうをみてやってください」~孤児のパディントン~
「どうぞ このクマのめんどうをみてやってください」
そう書かれた札を首につけ、駅のプラットホームで、スーツケースにこしかける一匹のクマ。
それが、後に心やさしいブラウン夫妻に家族として受け入れられるパディントンです。
パディントンは、「暗黒の地ペルー」から、救命ボートの中にかくれてイギリスに一人でやってきました。
身寄りのないパディントンを育ててきたクマのルーシーおばさんが、老グマホームへ入ることになってしまったためです。
ルーシーおばさんは、パディントンに英語を教え、生きるすべを教えてくれていました。
これが、『くまのパディントン』の始まりの内容です。
この駅のプラットホームでのスーツケースの光景は、ボンドによると、第二次世界大戦中のイギリスの様子を表しているといいます。
第二次世界大戦中、駅には身寄りのない子どもがたくさんいたそうです。
スーツケースを片手に。
首から札を下げて。
戦火の増す中、生きるために子どもも親も必死でした。
戦争を経験したボンド。
その光景が忘れられなかったのだと思います。
ボンドのお父さんやお母さんは、そういった子どもたちの世話をすることに惜しみなかったそうです。
パディントンを家に連れて帰ったブラウンさんのモデルは、ボンドのお父さん、お母さん。
お父さんお母さんのやさしさが、着実にボンドに受け継がれている。
そして、ボンドの作品を通して、やさしさがまた広がっていく。
作者の思いは、パディントンと共に世界中に広がっています。
世界中の読者に愛されている理由。
それは、この物語全体からあふれ出す、人へのあたたかいまなざしだと思うのです。
きっと、パディントンが好きになる ~ぜひ、展覧会に足を運んでみてください!~
渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで6月25日(月)までやっているそうです。
今まで知らなかった人も。
知っていた人も。
きっと、パディントンの愛くるしさに心をつかまれてしまうのではないでしょうか。
ショップで買った図録と『くまのパディントン』の英語版『A BEAR CALLED PADDIGGTON』、小さな真鍮の置物です。
宝物がまた一つ、増えました。