『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』
バージニア・リー・バートン 作 村岡花子 訳 福音館書店 (1961)
4~5歳頃から
【あらすじ】
ちゅうちゅうは、真っ黒くてピカピカ光っていて、きれいなかわいい機関車。いつもは、機関士のジムと機関助士のオーリーと客車の車掌アーチボールドと一緒に、お客さんを乗せて、貨車を引いて走ります。しかし、ちゅうちゅうは考えました。重い客車を引くのは大変、私一人ならもっと速く走れる。ジムとオーリーとアーチボールドがコーヒー店で休んでいる隙に、ちゅうちゅうは逃げ出します。ちゅうちゅうの冒険の始まりです。
機関車のぼうけん『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』
この絵本の作者、バージニア・リー・バートンは、名作『ちいさいおうち』の作者でも有名です。
この絵本は、機関車好きの息子のために描かれたと言われています。
原作は『CHOO CHOO』です。
まさに、ちゅうちゅうトレインですね。
英語では機関車しゅぽしゅぽとよく表されますが、英語では「CHOO CHOO」と表すようです。
この『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』は、白黒のタッチで描かれていて、とても
素朴に描かれています。
白黒ですが、とてもあたたかみのあるイラストです。
ちゅうちゅうは、いつもの仕事にちょっと嫌気がさして冒険がしたくなりました。
跳ね橋が上がっていても跳びあがって!
なんとも大胆です。
どんどん、どんどん町を抜けて、田舎を走って、あたりは暗くなってきて。
石炭も水も燃料切れ。
その頃、ジムとオーリーとアーチボールドは必死になって、ちゅうちゅうを探していました。
3人はとうとうちゅうちゅうを見つけます。
見つかってしまったちゅうちゅう。でも、ちゅうちゅうはうれしかったのです。
ちゅうちゅうは、ジムたちが みつけにきてくれたので、
とても よろこんで、ちいさい こえで 「ぷう!」と、
きてきをならしました。
探してくれたうれしさ。
思い切り走った後の達成感。
冒険はおしまいです。
また一回り大きくなったちゅうちゅうは、これからもたくさんの人をいっぱい乗せて、貨車を引いて、ジムとオーリーとアーチボールドと一緒に走り続けるのでしょう。