『まど・みちお 詩のえほん 2 キリンさん』
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キリンさん (まど・みちお詩のえほん) [ まど・みちお ]
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【あらすじ】
生きものの命をうたう詩の絵本。「なみと かいがら」「さかな」「コオロギ」「チョウチョウ」「てんとうむし」「うさぎ」「くまさん」「キリンさん」「ぞうさん」「ひよこが うまれた」「クジャク」「あそびましょ」「はるの さんぽ」の13編の詩の世界です。生きものに対する優しい視線で描かれています。
まど・みちおの詩と南塚直子の絵のやさしい世界
今回は、詩の絵本を紹介します。
まど・みちおさんは、「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」「ふしぎなポケット」「1年生になったら」などの童謡の作詞者として有名です。
この『まど・みちお 詩のえほん 2 キリンさん』は、生きものをみつめる優しい詩であふれています。
まずは、この絵本の題名になっている「キリンさん」の詩を紹介します。
キリンさん
キリンさん
キリンさん
くびが
さむくは ないですか
そらを
かぜが ふいて
キリンさん
キリンさん
くもの
マフラー しなさいよ
そらに
ひとつ かりて
キリンさんと「さん」をつけて呼びかけるところ。親しみを込めて、呼ぶ優しさ。
「くもの マフラー」つけたら どんなだろう。
キリンさんを見上げる小さな視点と、
キリンさんの目線に立った大きな視点で描かれています。
この詩集の中の、私のお気に入りは、「ひよこが うまれた」です。
ひよこが うまれた
ひよこが うまれた
ぴよ ぴよ
ほんとにうまれた
ぴよ ぴよ
せかいじゅうの ほしが
ぜんぶ ともって わらった
ひよこが あるいた
ぴよ ぴよ
ほんとに あるいた
ぴよ ぴよ
せかいじゅうの はなが
ぜんぶ ひらいて わらった
小さな命の誕生を、たくさんの人たちが祝福しています。
小さな命の成長を、たくさんの人たちが見守っています。
星が、花が、彩りを添えて、あたたかく、包んでいます。
南塚直子さんの、銅版画の挿絵の美しさも、この絵本の魅力です。
生きものたちのあたたかさや、鼓動が感じらるような絵です。
まど・みちおさんの詩の世界と合わさって、素敵な世界が広がっています。
目を閉じて、詩と絵の世界の中につかる。
しばらくじっと、そのままでいたい。
そんな本です。