『とこちゃんはどこ』
3~4歳頃から
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【あらすじ】
とこちゃんは、おばあちゃんにもらった赤いぼうしがお気に入りで、どこへ行くときもかぶっています。ある日、とこちゃんはお母さんと一緒に市場へ行きました。市場の前でお母さんは、おともだちに会って、おしゃべりを始めました。とこちゃんは、そのまにとことこかけだして―どこかへ行ってしまいました。どこへいったのでしょう。「ああ、いた いた!」
日曜日、とこちゃんは、お父さんと動物園にいきました。お父さんが案内板をみているまに、とこちゃんはとことこかけだして―いろんなところへ、一人でいってしまうとこちゃん。とこちゃんは、どこ?
子どもの探求心
小さい頃、迷子になることは、すごく怖かったです。
あれ、さっきまで、一緒にいたのに。
自分から離れてしまっているのにもかかわらず、必死に探して、親がみつかった時の安堵感。
『とこちゃんはどこ』のとこちゃんは、とことこかけだして、いつもどこかへ行ってしまいます。
見ている側は、見つからなかったらどうしよう・・・
ちょっとハラハラしながら、探します。
「ああ いた いた!」
みつかると、ほっとします。
とこちゃんは、ちょっと冒険してみたいけど、みつけてもらいたい、必ず見つけてもらえるとどこかで思っているかもしれません。
こちらは、とこちゃんと自分を重ね合わせて、とこちゃんを必死に探します。
探求心
無意識的に、自分の存在を確かめようとしているのかもしれません。
とこちゃんはデパートでも、とことこかけだして行ってしまいました。
そこでの帰り道
かえりみち、おとうさんも おかあさんも、とこちゃんのてを しっかりにぎって、はなしませんでした。
はなれて、もどって、つないで、また、はなれて。
みつけてくれる人、戻ってくる場所があるから、またいろんなところへ行ける。
それが、子どもの成長につながる力だと思います。